1)東京大学 柏スタディー 2017とは
脳疾患などの疾病や転倒などの事故により、健常な状態から突然要介護状態に移行することもありますが、ほとんどの高齢者は徐々に要介護状態に陥ると考えらています。
「元気に自立して日常生活を送ることができる健康寿命」を伸ばすには何に気を付けてどうすれば良いのかを調べるために、東京大学高齢社会総合研究機構飯島研究室が千葉県柏市在住高齢者(自立/要支援)約2,000名を対象とした大規模高齢者コホート調査(柏スタディ)を実施し、その結果をサルコペニア(加齢による筋力量の減少)診療ガイドライン2017年版として発表されています。
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「オーラルフレイル」とは直訳すると「口の虚弱、衰え」のことです。
「最近、食事のときにむせるようになった。」
「硬い物が食べにくくなった。」
など、ささいなトラブルをきっかけに口の筋力低下がすすみ、低栄養や誤えん性肺炎、認知症など、さまざまな全身の病気につながることがわかってきました。
またオーラルフレイルの人は、そうでない人に比べ、4年後の死亡リスクが2.09倍、要介護リスクが2.35倍になると発表されています。
このように、「元気に自立して日常生活を送ることができる健康寿命」を伸ばすためにはちゃんと噛めるお口の状態、入れ歯は欠かせないようです。
1)「歯の終活」のすすめ
ご高齢の方には「歯の終活」もご提案させていただいております。
これは、今まではお口のケアができて、やっと保たれていた歯も、急なご病気で入院することになったり、手足などのお身体が不自由になったりした場合には、十分に磨けなくなり、その歯がグラグラになったり、歯茎が腫れて食べれない、しかし歯科医院に行きたくてもご自身の足では簡単には行けないなど、とても困った状況になる可能性があります。
もちろんそのような場合には歯科往診に伺いますが、できることには残念ながら限りがあります。
このようなことをできるだけ防ぐために、歯の手入れが少々の間できない状況にたとえなったとしても直ぐに困ることがないように、70歳以上の患者さんには、
①近い将来持たないような歯は、抜けるうちに抜いておく
残り少ない歯を抜くのは、とてもつらく気は決してすすまないとは思いますが、とても大切なことです
②むし歯になりにくいように、合っていない詰め物や被せ物をやり直しておく
③歯茎に合いしっかりと咬める、これは保険外の金属床となりますが少々のことでは割れたり壊れたりしない最後の入れ歯を作る
などをご提案させていただいおります。